全段定電流シングルアンプの考察

全段定電流シングルアンプについて、少し考察してみたいと思います。

特徴

  • 初段も出力段も、プレート電流を定電流回路で縛っています。
  • 信号プレート負荷とカソードをコンデンサで繋ぎ、信号ループを最短化しています。
  • その結果、信号ループからアースラインを排除することができました。

メリット

  • (予想) 特に低域でのクロストークの改善を見込めます。
  • 定電流回路により、真空管が熱暴走することはありません。
  • 定電流で縛られているので、電源のレギュレーションは問題になりません。たぶん。

デメリット

  • カソードがアースから浮いています。
  • そのため、ヒーターハムや電源リプルに由来するノイズに弱いです。
  • 結果、電源からリプルを徹底的に除去したり、ヒーターバイアスを用意(あるいは直流点火)したりする必要があります。
  • 各段ごとに定電流回路が必要となります。
  • (場合によっては) 定電流回路は高耐圧である必要があります。

シングルアンプと比べて…

  • (予想) 特に低域のクロストークが改善されます。
  • (予想) 歪みを打ち消す仕組みはないので、同じような歪み率のグラフになります。
  • トランスの直流磁化により、豊かな低域は望めないのも同じです。

全段差動PPアンプと比べて…

  • 各段ごとに定電流回路が必要なところは同じです。
  • 信号ループからアースを排除できるところも同じです。
  • 直結アンプにしやすいです。
  • 双三極管1本で片チャネルを鳴らせます。
  • 基本的にはシングルアンプなので回路がシンプルです。
  • 同相除去のメリットを享受できません。
  • そのため、リプルノイズやヒーターハムが出やすいです。
  • 各段ごとに、信号ループに電解コンデンサが割り込みます。
  • 偶数時高調波は打ち消されません。
  • シングル用のトランスはインダクタンスが格段に小さいです。

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