デジタル時代の真空管アンプ 完全製作12例

タイトルは「デジタル時代の~」ですが、デジタル技術について書かれた書籍はありません。CD(そしてPCオーディオ)のようなデジタルソースの時代でも現役として活躍できる真空管アンプを設計するための書籍です。

初段・位相反転段に低rp管を採用して広帯域を実現する出力段位相補正アンプについて、非常に詳細に解説されています。最初は6L6GC PPアンプをお題に、回路構成から回路定数、ロードライン(直流的検討)、安定したNFBのためのスタガー比(周波数特性)、電源、ノイズに強い配線と解説され、順を追ってアンプ設計を俯瞰できます。ただし、PPアンプのロードラインの引き方は簡易法なのでご注意を。

後半は出力段位相補正型の主にPPアンプの作例が掲載されています。多極管が多く採用されていますが、安直に三結にしてお茶を濁すことはせず、KNFやP-K NFBといったテクニックを積極的に採用し、多極管という素材の味を殺さず料理しています。各作例とも回路設計の趣旨がしっかりと解説され、周波数特性、入出力特性、クロストークもしっかりと計測されており、アンプビルダーたるものかくありたいと思わされることしきりです。

20年も前の書籍ですが、そんなことを感じさせない内容の新しさに脱帽です。絶版らしく入手は困難ですが、古本屋やAmazonのマーケットプレイス、ヤフオクなどで購入できる可能性があります。諦めずに探してみて下さい。

  • 著者: 黒川達夫
  • 出版: 誠文堂新光社
  • ISBN: 4416189117
  • 価格: \3,200

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です