AKG K701のバランス化

アニメ「けいおん!」のキャラが作中で使っていたことで一躍有名になったヘッドホンAKG K701ですが、先の記事にも書いたように、ケーブルは4芯構造になっています。つまり、50cmぐらいケーブルを残して(理由は後述)フォーンプラグを切り落として、XLRコプラグに接続し直すだけでバランス化できます。

ケーブルとコネクタ

balanced AKG K701AKG K701の4芯ケーブルは、赤、黒、黄、白、の4色に分かれていますが、それぞれが右チャネルのhot, cold, 左チャネルのhot, coldとなります。つまり、5ピンのXLRプラグを繋ぐ場合、1番は空き、2番に黄、3番に白、4番に赤、5番に黒を接続することになります。入力側なので、メスのプラグを使いましょう。

既存の不平衡出力(フォーンプラグ)しかないヘッドホンアンプにも接続できるよう、変換ケーブルも作っておくとよいでしょう。切り落としたフォーンプラグに50cmほどケーブルを残しておけば、そこにXLRプラグを接続できます。出力側なのでオスのプラグにします。この時、不平衡でアース側が共通だからといって、XLRプラグ側でコールド同士(3番と5番)を接続してしまってはバランス化の意味がなくなる(共通インピーダンスになる)ので独立したままにしておきます。

なお、AKG K701のケーブルはシールド線になっていませんが、もし気持ちが悪いようであれば、4芯のシールド線に交換することも検討してよいと思います。シールド(=アース)は1番に接続します。また、4芯が2対のツイストペアになっていると外部からのノイズにより強くなりますので、検討の価値はあると思います。もっとも、私はヘッドホンのハウジングをいじりたくないのでこのままにしています。

準備

工作に必要なのは、以下の通り。

  • AKG K701
  • XLR 5ピンプラグ(メス)
  • XLR 5ピンプラグ(オス)
  • 絶縁チュープ (熱収縮チューブ、エンパイアチューブ等)
  • はんだ 少々
  • はんだ付け用具一式
  • ヘッドホンを改造する勇気

5ピンのXLRプラグは、秋葉原の千石電商3号店で、ITTキャノン製がメス1,080円、オス850円でした(通販サイトにはないようです)。オーディオ向けを謳った互換品は、秋葉原であればオヤイデ小沼電気などで入手できると思います。配線がスリーブとショートすることを防ぐ絶縁パイプが同梱されており、不用意に配線しなければショートの心配はないでしょう。

そして、バランス化するAKG K701を用意しますが、改造してしまうと(おそらく)メーカーや販社の保証対象外になります。保証を受けられなくなってもいいからバランス化してみたい、という勇気がないのであれば、ここらで引き返した方がよいかも知れません。

改造

AKG K701まずは勇気を出して、フォーンプラグの先端から50cmのところでケーブルをカットします。これで、2.5mのケーブルがヘッドホン側に残ります。このフォーンプラグ側のケーブルは捨てずに残しておきます。

切断したところから1.5~2cmぐらいのところにカッターで切れ目を入れ、グレーの被覆を剥ぎます。この被覆は比較的厚手なので、内部の芯線を切断したり、芯線の被覆まで切断してしまったりしないよう注意して下さい。

被覆を剥がすと、芯線が出て来ます。芯線は赤と黒、黄と白がそれぞれ対向するスターカッド(星型カッド、star quad)構造になっており、構造を維持するための糸も捻られています。作業の邪魔になるので、この構造を維持するための5本の糸をなるべく根本から切断しておきます。

次に芯線の被覆を剥ぐのですが、あまり長く芯線を出そうとすると微妙に千切れてしまったりします。露出させるのは5mmぐらいにしておきましょう。補強のためか、芯線にも極めて細いナイロン(?)線が撚り込まれています。気にしなくてもよいのかも知れませんが、はんだ付けが失敗するのも嫌なので、これもなるべく根本から切っておきます。

芯線を露出させたら、撚って、予備はんだをしておきます。ヘルピングハンド(クリッパー)があると便利ですが、クリップが強い(歯が薄い?)ためか、ケーブルを傷付けてしまう可能性があります。紙などを挟むとよいでしょう。

XLRメスプラグ はんだ付けここまで準備が済んだら、プラグをはんだ付けします。入力側ですので、メスのプラグになります。忘れずに、先にスリーブと絶縁パイプにケーブルを通しておきましょう。ピンに芯線を差し込み、はんだを流し込みます。意外とはんだの濡れがよいので、難なくはんだ付けできます。ピン接続を間違えないようご注意を。

繰り返しになりますが、5ピンXLRプラグ側の1番がアース、2番が左チャネルのhot、3番が左チャネルのcold、4番が右チャネルのhot、5番が右チャネルのcoldとなります。一方のケーブル側は、黄が左チャネルの信号線、白左チャネルのアース、赤が右チャネルの信号線、黒が右チャネルのアースとなります。つまり、今回のK701の場合は、1番は空き、2番に黄、3番に白、4番に赤、5番に黒の芯線をそれぞれはんだ付けすればよい訳です。

半田付けが完了したら導通を確認したいのですが、テスター棒ではXLRプラグ(メス)のピンに届きません。ということで導通確認は後ほど。スリーブもまだ固定しないでおきましょう。

ということで、先に変換ケーブルを作成します。最初に切断した残りのフォーンプラグ側も同様に処理し、オスプラグを接続します。スリーブを固定し、フォーンプラグと導通確認します。フォーンプラグの先端(チップ)が2番ピン(左チャネルのhot)と、真ん中(リング)が4番ピン(右チャネルのhot)と、根本(スリーブ)が3番と5番(アース)と、それぞれ導通していることを確認します。

問題なければ、ヘッドホン側と変換コード側のXLRプラグを接続し、ヘッドホン側XLRプラグのはんだ付けしたピンとフォーンプラグ間とで、上記と同様に導通を確認します。この確認方法では各チャネルのcold(3番と5番)が独立していることが確認できませんので、一端、XLRプラグを外し、スリーブ固定前のはんだ付けした側のピンで、3番と5番が導通しないことを確認します。問題なければ、ヘッドホン側のXLRプラグのスリーブも固定します。

以上で、AKG K701のバランス化は完了です。念のため、左右チャネルがちゃんと正しく接続されているか、テスト用の音源等で確認しておきましょう。上記の導通の確認ができていれば、左右チャネル間の位相も正しく揃っているハズです。

参考サイト

この作業は、以下のサイトを参考にしました。

なお、この記事を見て同様の改造を行った場合の結果について、私は責任を負えません。自己責任において改造して下さい。

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