semiconductor」タグアーカイブ

E182CC全段定電流直結シングルアンプ 構想その2

前回の記事で定電流回路の高耐圧トランジスタを使うことにしましたが、見直しが必要です。 出力段の定電流回路は20mAですが、使おうとしているトランジスタのhFEはおよそ50。つまりベース電流が0.4mA必要です。しかしベース側にはB電源から220kΩ経由でおよそ1mAしか供給していませんので、安定性に不安が残ります。また、20mAの電流のうち0.4mAがベースから供給される訳ですから、コレクタ側は19.6mAの定電流となります。ほんの2%ですが、あまりいい気持ちはしません。 一つの解決策は、もっとhFEの大きい高耐圧トランジスタを使うことです。しかし、この手のトランジスタは大抵、内部でダーリントン接続されており、かつB-E間に抵抗が挟まっていますので、小電流には使えません。つまり、出力段はOKですが、初段には使えないということです。ディスクリートでダーリントンにする、という手もなくはないですが、正直面倒。

カテゴリー: tube amp | タグ: , , | コメントする

半導体その4

さて、前回の記事で三端子レギュレータでヒーター(フィラメント)を直流点火することについて書きましたが、ちょっと補足しときます。 一般的な真空管のヒーター電圧は6.3Vです。当然、電源トランスのヒーター電圧には6.3Vのタップがあり、通常の交流点火の場合は(0.1Ω程度の抵抗で多少ドロップすることはあるにせよ)このまま使います。ヒーターを直流点火するには、当然この6.3Vをダイオードで整流する必要があります。 6.3Vを一般的な整流ダイオードでブリッジ整流してしまうと、整流後の電圧は概算で6.7V (6.3 * 1.4142 – 1.1 * 2)になります。通常の三端子レギュレータのドロップ電圧は3V程度必要ですので、出力に6.3Vを得るためにはまったく足りません。そこでいくつかの工夫が必要になります。 一つは、一般整流ダイオードの代わりに電圧降下の小さいショットキバリアダイオード(SBD)を使うことです。これで整流時のドロップ電圧を多少下げることができます。順方向電圧降下が0.7VのSBDでAC6.3Vをブリッジ整流した場合、整流後は7.5V (6.3 * 1.4142 – 0.7 * 2)となります。これで1.2Vの余裕ができました。

カテゴリー: tube amp | タグ: , | コメントする

半導体 その3

真空管アンプでの半導体の出番その3は、定電圧回路です。よくあるのは、多極管のスクリーングリッド電圧を定電圧ダイオードで確保するというもの。定電圧ダイオードはホワイトノイズが多いので、並列にコンデンサを抱かせるのを忘れずに。 この他に、定電流回路の基準電圧として使うこともあります。ただ、定電圧ダイオードは熱で特性が変わりますので要注意。アバランシェ現象とツェナー現象で温度特性が相殺される5.6V前後の定電圧ダイオードを使う等の工夫が要ります。この他、温度特性を改善した(内部にヒーターを持たせて温度補償した)ダイオードや、基準電圧ICなどもあります。温度補償型ダイオードは比較的高価ですので、基準電圧ICを採用するのが無難かもです。 もう一つ。定電圧回路とはちょっと違うかも知れませんが、ヒーター電圧(一般に6.3V)にも定電圧回路が使えます。この時、三端子レギュレータを採用することで、リプル除去も期待できます。一般的な三端子レギュレータLM317で60dB (1/1000)以上の、Adj抵抗にコンデンサを抱かせると80dB(1/10000)のリプル除去率になります。ただし、ヒーター回路にはそれなりの電流が流れますので、定格や放熱に注意が必要です。

カテゴリー: tube amp | タグ: , | コメントする

半導体 その2

真空管アンプでの半導体の出番と言えば、整流回路、定電流回路、定電圧回路、リプルフィルタあたりです。整流回路にダイオードを用いるのは一般的なので、ここでは割愛。その他の利用について書いてみます。 一般的な真空管シングルアンプやプッシュプルアンプでは、定電流回路の出番はありません。強いて言えば、ムラード型位相反転回路のカソードに挿入する高抵抗がそれに近い役割を果たしています。このムラード型位相反転回路の精度をより高くしたのが、高抵抗の代わりに定電流回路を用いた位相反転回路(差動増幅回路)です。 この差動回路はドライバ段や出力段にも用いられ、すべての増幅段に差動回路を用いた真空管アンプは、全段差動プッシュプルアンプとして一世を風靡しています。私がこれまでに自作した2台の真空管アンプは、いずれもこの全段差動PPアンプです。 で、この定電流回路、真空管だけで実現できなくはないのですが、大きめのマイナス電源が必要になります。B電源とは別に大きな電源を用意するのは面倒です。しかし、半導体を用いると簡単に実現できます。数mAであれば定電流ダイオード1本で、それなりの電流もトランジスタをディスクリートしたり、三端子レギュレータを使ったりして簡単に実現できます。

カテゴリー: tube amp | タグ: , | コメントする

半導体

最近、真空管熱を抑えて、半導体(トランジスタ、FET、OPアンプ)の勉強を進めています。真空管アンプの回路に半導体を混ぜることを嫌う方もいらっしゃるようですが、ここは合理的に、素性のいい素子は採用すべし、というアプローチで考えてみましょう。 ぼくがよく作る全段差動アンプだと、定電流回路は半導体素子で実装するのが合理的です。整流素子だって、整流管よりダイオードの方が効率はよいです。10EG7のような、それだけでは増幅率が低いけど三段にすると負帰還が面倒になりそうな真空管にはJFETを直結させると便利です。 とは言え、実はぼくも信号ループの中に半導体が入るのは避けたい派なので、もっぱら整流回路と定電流回路、定電圧回路にのみ使っています。..と、ちょっと書き足りないので、続きはまた次回。

カテゴリー: tube amp | タグ: , | コメントする