E182CC全段定電流直結シングルアンプ 構想その6

さて、これで位相補正のためのコンデンサ容量を除いて一通りの設計が完了しました。ここまで設計を進めてきた感想など。

何よりも、全段差動PPアンプの合理性を感じました。この全段定電流シングルアンプでは、前段も出力段もカソードがアースから浮いています。そのため、ヒーターハムを拾ったり、電源のリプルノイズが増幅されてしまいます。これを防ぐために、ヒーターバイアスやリプルフィルタなど、回路構成を配慮する必要がある訳です。

しかし全段差動PPアンプでは、これらはコモンモードノイズとしていとも簡単に除去されてしまいます。差動回路の利点が見事に活かされた結果、回路はシンプルになり、ヒーターバイアスや強力なリプルフィルタなどに物量を投資せずに済む訳です。初心者が設計、実装しても破綻しにくいという訳ですから、素晴しい回路だと思います。

しかもPP用のトランスで偶数次高調波は打ち消されるは、直流磁化がないためにインダクタンスを稼げて低域はガッツリ出るは、いいこと尽くしじゃないですか。いつかどこかの記事で「全段差動PPアンプを半分に切って、切れた信号ループをコンデンサで繋いだ回路」なんて書きましたが、コトはそんなに単純ではありませんね。

しかし、この全段定電流シングルアンプにもメリットがあるはず。実物が完成しないことには評価のしようはありませんが、信号ループの最短化や信号ループからのアースの排除、それに伴う(特に低域での)クロストークの改善など、通常のシングルアンプでは得られない(であろう)メリットがあります。

また、(全段差動)PPアンプでは難しい直結回路も、シングルアンプ故に比較的容易に実現できます。PPアンプでステレオ構成にする場合、双三極管などを採用しても最低4本は必要ですが、シングルアンプなら今回のように双三極管が2本あればステレオが組めます。何より、PPアンプに比べて回路がシンプルで済みます。

一方で、通常のシングルアンプにはない定電流回路が存在するため、回路が多少複雑になります。上述のヒーターハムやリプルノイズの問題も顕在化しがちです(たぶん)。

それぞれの回路にメリットデメリットありますが、まずは何よりもこのアンプを実際に実装することですね。実物が完成するまえに固定観念を抱くようなことは控えた方がよいのかも?

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