E182CC全段定電流直結シングルアンプ 構想その3

全段定電流直結シングルアンプ アンプ部回路図ミニワッター構想記事もその9まで来てしまいました。

前回の記事で、定電流回路の高耐圧トランジスタをMOS-FETにすることを書きました。これに伴い、回路図もアップデートです。MOS-FETへの交換の他、ゲートへの発振抵抗を追加してあります。

さて、今回は出力を計算し、負帰還量を求め、回路図をfixさせたいと思います。

まずは出力から。昨日の記事で使った出力段のEp-Ip曲線を使います。Ep=150V, Vg=-4.5Vという動作点を通る、5kΩのロードラインを引きます。実は縦軸50mAと横軸250Vを結んだ直線になります。グリッドバイアスが-4.5Vですから0V時と9V時のEpとIpとをそれぞれグラフから読み取ります。Vg=0V時にEp=69V, Ip=36.3mA, Vg=-9V時にEp=212V, Ip=3.2mAといったところでしょうか。出力は

(212 – 69) * (36.3 – 3.2) * 1e-3 / 8 = 0.59 [W]

と求まります。

さて、次に利得を求めます。初段に2Vp-pを加えた場合におよそ38Vp-pとなりますので、初段の利得は19。出力段は上述の通り、9Vp-pの入力で143Vp-pの出力となりますので、利得はおよそ16。出力トランスは5kΩ:8Ωで利用しますので、巻線比はsqrt(5000 / 8) = 25。ということで、利得は

19 * 16 / 25 = 12.16 (= 21.7dB)

となります。出力段は9Vp-pで最大出力になりますが、初段の利得が高すぎる感じです。2Vp-pで9Vp-pが得られれば充分なところに、その4倍強の38Vp-pが得られています。ということは、1/4すなわち12dBの負帰還を施せば、2Vp-pで最大出力が得られそうです。

しかし12dBもの負帰還は、真空管アンプでは強帰還な部類に入りそうです。通常は6dB掛ければ充分な訳ですし、こんな強帰還を問題なく掛けられる自信が正直ありません。日和る訳ではありませんが、1Vp-pで最大出力を得られるようにしてしまえば、6dBの負帰還でOKということになります。

さて、それでは帰還量を求めていきましょう。負帰還を掛けない素のオープンループゲインは12.16、6dBの負帰還を掛けることで6.08にするとします。ぺるけさん流に解こうとすると、このときの帰還定数をβとおき、

6.08 = (β * 12.16) / (β + 12.16)

という方程式を解けば求められます。この時のβは12.16と求まります。初段グリッドに直列に入れる抵抗はほぼそのまま入力インピーダンスになりますので20kΩとした場合、帰還素子Rnfbは

12.16 = (Rnfb + 20k) / 20k

を解くと求められます。この場合はRnfb=223.2kΩとなりますので、E24系列で最も近い220kΩを使うことにしましょう。以上で、帰還素子(Rnfb)に並列に抱かせるコンデンサを除いて、回路定数がすべて決まりました。

ちなみに、初段グリッドに直列に抵抗を入れて帰還させる方法では、入力もこの帰還素子によって分圧されてしまいます。つまり、1Vp-pで入力しても、そのうちの 220k / (220k + 20k) のみが入力されるということになり、見た目の利得が下がりますのでご注意を。

2010/03/24追記: ちなみに12dBの負帰還を掛ける場合、βは4.05, Rnfbは62kΩとなります。この場合、上述の分圧により見た目の利得が3/4に落ちます。ただ、その分、2Vp-pではなく2.67Vp-pで最大出力となりますので、入力レベル的には通常のアンプに近くなるかもです。

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