半導体その4

さて、前回の記事で三端子レギュレータでヒーター(フィラメント)を直流点火することについて書きましたが、ちょっと補足しときます。

一般的な真空管のヒーター電圧は6.3Vです。当然、電源トランスのヒーター電圧には6.3Vのタップがあり、通常の交流点火の場合は(0.1Ω程度の抵抗で多少ドロップすることはあるにせよ)このまま使います。ヒーターを直流点火するには、当然この6.3Vをダイオードで整流する必要があります。

6.3Vを一般的な整流ダイオードでブリッジ整流してしまうと、整流後の電圧は概算で6.7V (6.3 * 1.4142 – 1.1 * 2)になります。通常の三端子レギュレータのドロップ電圧は3V程度必要ですので、出力に6.3Vを得るためにはまったく足りません。そこでいくつかの工夫が必要になります。

一つは、一般整流ダイオードの代わりに電圧降下の小さいショットキバリアダイオード(SBD)を使うことです。これで整流時のドロップ電圧を多少下げることができます。順方向電圧降下が0.7VのSBDでAC6.3Vをブリッジ整流した場合、整流後は7.5V (6.3 * 1.4142 – 0.7 * 2)となります。これで1.2Vの余裕ができました。

次の手は、低損失型(低ドロップ型)の三端子レギュレータを採用することです。LM317等、標準的な三端子レギュレータの最低ドロップ電圧は3V程度ですが、低損失型であれば0.5V程度になります。上述のSBDと組み合わせれば、問題なく動作させることができるでしょう。

SBDとは別の手として、単一の巻線を利用するブリッジ整流ではなく、二つの巻線を(位相に気を付けて)繋げてセンタータップ式の両波整流とするという方法もあります。これならダイオードによる電圧降下が1本分で済みますから、一般整流ダイオードを利用しても7.8V (6.3 * 1.4142 – 1.1)が得られます。この方法の欠点は、巻線が2つ必要ということでしょうか。また、イリーガルな使用方法となりますので、動作は保証できません。悪しからず。

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